「療法食を出しても、食べてくれない」

腎臓病と診断された猫と暮らしていると、食事のことで立ち止まることがあります。

病院で勧められたフードを買ってきたのに、においを嗅いだだけで離れてしまう。

別の味を試してみても食べない。

昨日まで食べていたものまで、今日は口をつけない。

「腎臓のためには療法食がいいと言われた。でも、この子は食べてくれない」

そんなとき、どうしたらいいのか分からなくなることがあります。

けれど、最初の一袋を食べなかったからといって、そこで選択肢がなくなるわけではありません。

腎臓用療法食にも、味や香り、粒の形、食感の違うものがあります。

ドライは食べなくてもウェットなら食べる子もいます。
同じメーカーの別の味なら食べる子もいます。

それでも難しいときには、スーパーやペットショップ、通販などで買える、腎臓の健康維持に配慮したフードもあります。

ペーストなら舐められる子もいます。

おやつなら、ほんの少し口にしてくれる子もいます。

腎臓のことを考えること。
そして、その子が食べられること。

どちらも、その子のための食事です。

このページでは、

「次に何を試せるだろう」

を、一緒に探していきましょう。

腎臓用の療法食は、何のためにあるの?

腎臓病の療法食というと、「たんぱく質を減らした食事」というイメージがあるかもしれません。

実際には、それだけではありません。

リンを制限し、たんぱく質の量や質を調整するほか、エネルギー、脂肪酸、ビタミン、ミネラルなど、腎臓病の猫の体を考えて複数の栄養素が調整されています。

なかでも、リンの管理は慢性腎臓病の食事療法で大切なポイントのひとつです。

現在の指針では、腎臓用療法食は慢性腎臓病のステージ2では検討され、ステージ3・4では推奨されています。ステージ1については、一律の推奨はまだ明確ではありません。

療法食には、きちんと意味があります。

ただ、療法食を食べさせること自体が目的ではありません。

必要な栄養やエネルギーをとり、体重や筋肉をできるだけ保つことも大切です。

病気の段階、検査結果、ほかの病気の有無、体重や筋肉量、そして実際にどのくらい食べられているか。

その子の今の状態を見ながら、食事を考えていきます。

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「腎臓」と書いてあるフードは、みんな同じ?

売り場や通販サイトを見ると、

「腎臓ケア」
「腎臓の健康維持」
「シニアの腎臓に配慮」

など、よく似た言葉が並んでいます。

でも、その役割は同じではありません。

慢性腎臓病の食事管理を目的に作られた食事療法食もあれば、腎臓の健康維持に配慮して栄養を調整した総合栄養食もあります。

一般食、副食、栄養補助食、おやつもあります。

「腎臓」という文字だけで選ぶのではなく、

療法食なのか。
毎日の主食にできる総合栄養食なのか。
一般食やおやつなのか。

パッケージの表示も一緒に見てみましょう。

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最初の療法食を食べなかったら、まだ次があります

病院で紹介された療法食を買ってみたけれど、食べてくれなかった。

別の味も試してみたけれど、それもだめだった。

そんなことが続くと、

「この子は療法食を食べないんだ」

と思ってしまうかもしれません。

でも、そこで選択肢がなくなるわけではありません。

腎臓用療法食には、いろいろなメーカーのものがあります。

ドライとウェット。
チキンや魚などの味。
粒の形や硬さ。
フレーク、ローフ、ペースト、流動食。

同じ腎臓用療法食でも、香りも口当たりも違います。

食べなかった一袋だけで、腎臓用療法食そのものを諦めなくてもいい。

腎臓用療法食にも、いろいろあります

最初に試した療法食を食べてくれなかったとしても、腎臓用療法食そのものが合わないとは限りません。

メーカーが違えば、香りや味、粒の形、食感も変わります。

同じメーカーの中にも、ドライとウェット、味や食感の違うものが用意されていることがあります。

現在、日本で選べる腎臓用療法食には、たとえばこんなものがあります。

商品・シリーズ 主なタイプ・特徴
ロイヤルカナン 腎臓サポート ドライ、ウェット、ローフ、味・食感の違うタイプ、流動食など。初期の慢性腎臓病向け「早期腎臓サポート」もあります
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット k/d 腎臓ケア用の療法食。ドライやウェットなどがあります
ピュリナ プロプラン ベテリナリーダイエット NF 腎臓ケア ドライ・ウェットがあり、初期ステージ向けと中期ステージ以降向けに分かれています
ドクターズケア キドニーケア チキンやフィッシュ、ウェットなどの選択肢があります。可溶性食物繊維を配合したタイプもあります
Dietics キドニーキープ ドライとウェットがあります
Farmina Vet Life 腎臓ケア ドライがあります。国内では動物病院を通じて取り扱われています
SPECIFIC 腎心肝アシスト FKD / FKW ドライ(FKD)とウェット(FKW)があります。慢性腎臓病に配慮して、リン・たんぱく質・ナトリウムを調整した療法食です

このほかにも、VetsWell、HAPPY CAT VET、animonda、SANIMEDなど、腎臓病の食事管理を目的とした療法食があります。

「この一袋を食べなかった」ことと、
「療法食を食べられない」ことは、同じではありません。

もし最初のフードを食べなかったら、

「ほかのメーカーはありますか?」
「ウェットはありますか?」
「魚の味や、違う食感のものはありますか?」

と、かかりつけの先生に聞いてみてもいいでしょう。

その子が好きな香りや食感が分かっているなら、それも一緒に伝えてみてください。

味を変える。
食感を変える。
メーカーを変える。
ドライからウェットにしてみる。
少量を別のお皿に出してみる。
ウェットを少し温めて、香りを立たせてみる。

新しい療法食への切り替えは、体調が安定しているときに、少しずつ進めていきます。

体調が悪いときは、新しい食事を次々に試すより、まず「なぜ食べられないのか」を診てもらうことも大切です。

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療法食だけでは、十分に食べられないとき

「100%療法食にできないと意味がないのかな」

そう思うこともあるかもしれません。

療法食だけでは必要な量を食べられない猫もいます。

食べる量が減れば、体重や筋肉が落ちていくことがあります。

その子の状態によっては、療法食とそれまでの食事を組み合わせたり、ほかの食事を使ったりしながら、必要なエネルギーをとれる方法を考えることもあります。

慢性腎臓病の食事管理では、食事の内容だけでなく、体重や筋肉量、実際にどのくらい食べられているかを見ることも大切にされています。

療法食を完璧に食べられないことと、食事のことを諦めることは同じではありません。

その子が食べられる量を見ながら、続けられる形を探していきましょう。

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療法食を食べないとき、ほかに選べるフードはある?

ここからは、病院で扱われる療法食とは別の棚を見てみましょう。

一般のお店や通販で買えるフードの中にも、リンやナトリウム、たんぱく質などを調整したり、腎臓の健康維持に配慮したりしている商品があります。

療法食と同じ位置づけのものではありません。

それでも、

「療法食を食べない。次に何を探したらいい?」

と困ったときに、知っておきたい選択肢です。

全部を試す必要はありません。

カリカリなら食べる?
ウェットなら?
ペーストなら舐められる?

その子が食べられそうな形から見ていきましょう。

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カリカリなら食べる子に

市販のドライフードにも、腎臓の健康維持に配慮した総合栄養食があります。

2026年9月時点で確認できるものには、こんな選択肢があります。

商品・シリーズ 位置づけ 主な特徴
メディファスアドバンス 腎臓の健康維持 7歳頃から 総合栄養食 リン・ナトリウムを調整
ビューティープロ キャット 腎臓の健康維持 8歳以上/15歳以上 総合栄養食 カルシウム・リン・マグネシウムを調整
コンボ キャット 腎臓の健康維持 総合栄養食 たんぱく質・リン・カルシウムを調整
JPスタイル 和の究み セレクトヘルスケア 腎臓ガード 総合栄養食 リンに配慮した商品
ミネット 腎臓ケア 総合栄養食 リン・ナトリウム・たんぱく質に配慮
懐石 5つのごほうび 腎臓の健康維持 総合栄養食 リン・ナトリウムを調整
銀のスプーン 三ツ星グルメ シニア向け商品 総合栄養食 年齢に合わせ、腎臓の健康維持に配慮した商品あり

商品候補の横断調査では、このほかにも年齢別や味違いの商品が確認されています。

たとえば、メディファスアドバンス「腎臓の健康維持 7歳頃から」は総合栄養食で、リン0.52%、ナトリウム0.21%の標準値が公開されています。

ビューティープロには8歳以上と15歳以上があり、現在も公式ラインアップで確認できます。いずれも成猫用総合栄養食で、リン0.6%の標準値が案内されています。

コンボ キャット 腎臓の健康維持も成猫用総合栄養食で、メーカーは療法食ではないことを明記しています。

懐石「5つのごほうび 腎臓の健康維持」は、リンとナトリウムを調整した総合栄養食です。

栄養成分の数字は、フードを選ぶときの大切な手掛かりです。

でも、ひとつの数字だけで、その子に合う食事が決まるわけではありません。

腎臓の状態や体重、食べられる量なども見ながら、その子に合うものを考えていきましょう。

なお、ドライとウェットでは水分量が大きく違うため、パッケージに書かれたリンなどの「%」だけをそのまま比べることはできません。

※商品内容や販売状況は変更されることがあります。購入時にはパッケージやメーカーの最新情報も確認してください。

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カリカリを食べないなら、ウェットやペーストも

ここは、ぜひ知っておいてほしい棚です。

高齢になった猫や食欲が落ちた猫では、

「カリカリは食べないけれど、舐めるものなら食べる」

ことがあります。

市販品にも、腎臓の健康維持に配慮したウェットやペーストがあります。

アイシア「腎活」

「腎活」には、

まぐろペースト、
まぐろとかつおペースト、
まぐろとささみペースト

があります。

いずれも毎日の主食として使える総合栄養食です。

まぐろとまぐろ・ささみは舐めて食べられるペーストタイプ、まぐろとかつおはやわらかなフレークとろみタイプ。1歳の成猫からシニア猫までを対象にしています。

「カリカリは食べない。でも舐めるものなら食べる」

そんな子にも、主食として使える選択肢があります。

アイシア「健康缶パウチ シニア猫用」

健康缶にも、シニア猫の腎臓の健康維持に配慮したシリーズがあります。

エイジングケア、毛玉ケア、皮膚・被毛ケア、下部尿路ケア、腸内環境ケアの5種類。

リン0.08%、ナトリウム0.10%の標準値に調整された、舐めて食べられるペーストタイプです。

商品によって主食として使えるものと、そうでないものがあります。購入するときには「総合栄養食」「一般食」などの表示も確認してみてください。

アイシア「i CARE 腎臓ケア」

i CAREにも、まぐろ・かつおのペーストがあります。

腎臓の健康維持に配慮してリンとナトリウムを調整した35gのウェットで、リン0.05%、ナトリウム0.06%の標準値が公開されています。

こちらは総合栄養食とは別の位置づけなので、主食と同じようには考えません。

メディファスアドバンス ウェット

メディファスアドバンスにも、腎臓の健康維持に配慮したペーストタイプの総合栄養食があります。

現在は11歳から、15歳から、18歳からの商品があり、11歳からはリン0.13%、15歳・18歳からは0.12%の標準値が案内されています。

ドライを食べなくても、ペーストなら食べられる子もいます。

「腎臓の健康に配慮した たまの伝説」

「たまの伝説」にも、腎臓の健康に配慮した70gのウェットがあります。

たんぱく質、ナトリウム、リンを調整し、メーカーではナトリウム0.03%、リン0.107%と案内しています。

こうして見ると、市販の腎臓配慮フードは、カリカリだけではありません。

「カリカリを食べないから、もう候補がない」ではないのです。

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食べる量が少ないシニア猫に

「腎臓ケア」と大きく書かれた商品だけでなく、高齢猫向けの食事にも目を向けてみます。

たとえば「メルミル 介護期用」には、食が細くなった猫向けの、舐めて食べられるペースト状の総合栄養食があります。

腎臓と心臓の健康維持に配慮し、少量でも栄養をとりやすい高エネルギー設計です。

硬いものを食べにくくなった。
一度にたくさん食べられない。
舐めるものなら食べる。

そんなときには、栄養成分だけでなく、食べやすい形も大切な条件になります。

シニア用だから腎臓病の猫に合う、という意味ではありません。

その子が食べられるものの中から、今の状態に合う食事を探していきましょう。

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どこで探せばいい?

腎臓に配慮した市販フードは、ペットショップだけにあるわけではありません。

スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、メーカー通販、一般のネットショップなどでも扱われています。

そして、意外と知られていないのが、

ヨドバシ.comとビックカメラ.com。

2026年9月の調査では、メディファス、ビューティープロ、コンボ、JP Style、懐石、銀のスプーン、AIM30、ちゅ〜るなど、複数の商品について取り扱いが確認されています。

家電のイメージが強いお店ですが、ペットフードも扱っています。

近所のお店で見つからなかったものが、こうした通販で見つかることもあります。

在庫や取り扱い商品は、その時々で変わります。

「何を探すか」と一緒に、「どこなら探せるか」も知っておく。

それだけでも、選択肢は少し広がります。

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腎臓用ではないけれど、覚えておきたいウェットもあります

療法食や、「腎臓の健康維持に配慮」と書かれたフードだけが、食べられるものを探すときの選択肢ではありません。

食欲が落ちた猫と暮らす飼い主さんの間では、

「これは食べてくれた」

という声と一緒に名前が挙がるウェットもあります。

たとえば、はごろもフーズの「無一物」や、アイシアの「金缶 無垢」などです。

はごろもフーズ「無一物」

無一物には、まぐろ、かつお、鶏むね肉などを使った水煮タイプのほか、寒天ゼリータイプ、一本釣りの魚を使った商品、ペースト状の「飲む無一物」などがあります。

素材と水を中心にしたシンプルなつくりで、フレーク、ゼリー、ペーストと、食感にも違いがあります。

たとえば「無一物パウチ まぐろ 一本釣」は、まぐろと水だけで作られ、メーカーはリン0.109%、ナトリウム0.021%と公開しています。「かつお 一本釣」も、リン0.110%、ナトリウム0.020%です。

ただ、同じ「無一物」でも、栄養成分はすべて同じではありません。

たとえば「飲む無一物 かつお」は、リン0.131%、ナトリウム0.172%。寒天ゼリータイプにも、また違う数値の商品があります。

「無一物なら全部同じ」と考えるのではなく、気になる商品があったら、その商品の表示をひとつずつ見てみましょう。

アイシア「金缶 無垢」

「金缶 無垢」には、現在、まぐろ・かつお・ささみがあります。

猫の食物アレルギーに配慮して、一つのたんぱく源で仕立てられたウェットです。

こちらも、腎臓病の療法食や「腎臓の健康維持」を目的に作られたフードではありません。

それでも、療法食にもいつものごはんにも顔を背けてしまうとき、

「これは食べられた」

という一皿になることがあります。

腎臓病の猫の食事を考えていると、つい「腎臓用」と書かれたものだけを探したくなります。

でも、食欲が落ちているときには、

魚のフレークなら食べた。
ゼリーなら舐めた。
ペーストなら少し口にした。

そんなこともあります。

その子が今、何なら食べられるのか。

そこから、次の一皿を探す手掛かりが見つかることもあります。

主食として使えるかどうかは、商品ごとの「総合栄養食」「一般食」などの表示も確認してみましょう。

そして、

「この子は、これなら食べました」

ということも、かかりつけの先生にそのまま伝えてください。

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「これなら食べた」という一口

食べなくなった猫と暮らしたことのある人なら、

「これなら食べた」

という一口が、どれほど嬉しいか知っているかもしれません。

いつものフードは食べないのに、これは食べた。

昨日はだめだったのに、今日は少し舐めた。

そんな小さな経験も、同じように困っている誰かの「次に試してみよう」につながることがあります。

ドライだったのか。
ウェットだったのか。
魚の香りだったのか、肉の香りだったのか。
フレーク、ムース、スープ、ペースト。
温めたら食べたのか。
手からなら食べたのか。

そこまで見てみると、

「同じ商品を買う」

だけではなく、

「うちの子も、この食感なら食べるかもしれない」

という探し方ができます。

「もう試せるものがない」

と思ったときに、

「まだ、こんな食べ方がありますよ」

と渡せる。

そんな情報も、このサイトでは少しずつ残していきたいと思っています。

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「もう、何なら食べてくれるんだろう」

食欲が落ちてくると、

「もう何でもいい。少しでも食べてくれたら」

と思うことがあります。

いつものごはんには顔を背けるのに、焼いた魚には近づいてきた。

お刺身なら、一口食べてくれた。

飼い主さんの食事のにおいには、顔を上げた。

そんなとき、その一口がどれほど嬉しいか。

「腎臓には療法食がいい」と分かっていても、食べてくれなければ、その先へ進めないことがあります。

肉や魚なら食べる子もいます。

人の食事のにおいには興味を示す子もいます。

それは、腎臓病のために選ばれた食事ではありません。

でも、

「これは食べられる」

ということは、その子の今を知る大切な手掛かりです。

病院で話すときにも、

「療法食を食べません」

だけではなく、

「今、この子が食べてくれるのはこれです」

と伝えてみてください。

どのくらい食べたか。
どんな香り、温度、食感なら反応したか。

診察室では分からない、家でのその子の様子があります。

人の料理には、玉ねぎやねぎ、にんにくなど、猫には食べさせられない食材が使われることがあります。

味付けされたものなら、何が使われているかだけは確認しておきましょう。

そして、その一口をもう少し見てみます。

魚の香りなら顔を上げる。
やわらかいものなら食べる。
ペーストなら舐める。
少し温めると近づいてくる。

そこから、似た香りや食感の療法食や総合栄養食を探せることもあります。

「これしか食べない」ではなく、
「これは食べられる」。

そこには、次の一皿を探すためのヒントがあるかもしれません。

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ちゅ〜るなら舐めてくれるとき

主食には顔を背けるのに、

ちゅ〜るなら、ほんの少し舐めてくれた。

食欲が落ちた猫と暮らすなかで、そんな一口に助けられた経験のある飼い主さんは、たくさんいます。

食べられるものがほとんどなくなったとき、自分から何かを口にしてくれる。

それだけで、嬉しくなりますね。

今は、ちゅ〜るにもいろいろな種類があります。

市販の「CIAO ちゅ〜る 腎臓の健康維持に配慮」には、まぐろやとりささみがあり、リンとナトリウムを調整しています。

位置づけはおやつです。どちらもリン0.06%、ナトリウム0.06%の標準分析値が公開されています。

また、動物病院専用にも、低リン・低ナトリウムに配慮したちゅ〜るがあります。

ほかにも、コンボなどに腎臓の健康維持に配慮したおやつがあります。

おやつだけで一日の栄養をまかなうことはできません。

でも、

「この子はいま、何なら口にできるのか」

を探しているとき、その一口も大切な情報です。

「ちゅ〜るなら舐めます」

ということも、そのまま先生に伝えてください。

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AIMと書いてあるフードについて

売り場では「AIM30」や「for AIM」などの名前も見かけます。

ここは少しだけ整理しておきましょう。

これらの市販フードやおやつと、猫の慢性腎臓病の治療薬として開発されている「FeliAIM」は別のものです。

FeliAIMは食品ではありません。

市販フードに「AIM」と書かれていることだけで、腎臓病の療法食や治療薬という意味にはなりません。調査でも、食品・おやつ・サプリメント・医薬品は別のものとして整理しています。

ここでも、商品の位置づけを確認して選びましょう。

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急に食べなくなったときは、食事以外のことも

いろいろなフードを探しているときに、もう一つだけ忘れないでいたいことがあります。

腎臓病の猫が食べなくなる理由は、好みだけとは限りません。

吐き気、脱水、貧血、低カリウム血症、体内の酸塩基バランスの変化などによって、食べられなくなっていることもあります。

昨日まで食べていたのに急に食べなくなった。

好きなものにもほとんど反応しない。

吐いている。

元気がない。

体重が落ちてきた。

そんな変化があるときは、

「何を食べさせよう」だけで抱え込まず、食べられなくなったことそのものを、かかりつけの先生に伝えてください。

そのとき、

「食欲がありません」

だけではなく、

「昨日からいつもの半分くらいです」
「これは少し舐めました」
「食べようと近づくけれど、においを嗅ぐと離れます」

といった、家で見ている様子も大切な情報になります。

飼い主さんだから気づけることがあります。

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食べなかった一袋が、その子の答えではありません

腎臓病と診断されて、

「療法食を食べてもらわなくちゃ」

と思った。

調べて、買って、工夫してみた。

それでも食べてくれない。

そんな日が続けば、

「もう、この子に食べてもらえるものはないのかな」

と思ってしまうこともあるかもしれません。

でも、猫は一頭ずつ違います。

好きな味も、香りも、食感も違います。

病気の状態も、食べられる量も違います。

食べなかった一袋が、その子の答えではありません。

味を変える。
香りを変える。
食感を変える。
メーカーを変える。
ドライからウェットへ。
ペーストなら食べられるかもしれない。
療法食が難しければ、ほかの腎臓に配慮した総合栄養食について相談してみる。
ちゅ〜るなら、少し舐めてくれるかもしれない。

そして、

「この子は、これなら食べられる」

という一口を大切にする。

腎臓のことを考えながら、食べることも守っていく。

その間には、ひとつではない道があります。

完璧な一皿を探すのではなく、
その子が食べられる一皿を、ひとつずつ。

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この記事について

最終確認:2026年9月5日

この記事は、猫の慢性腎臓病における食事の選択肢について一般的な情報を提供することを目的としています。個々の猫の食事内容や治療方針を決めるものではありません。

愛猫の食事については、その子の状態と合わせて担当の獣医師に相談してください。

商品情報は2026年9月時点のものです。商品名、成分、内容量、販売状況は変更されることがあります。購入時にはパッケージやメーカーの最新情報もあわせてご確認ください。

主な参考情報

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